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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(あ)2737号 決定 1953年5月25日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人宮崎梧一の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、弗表示軍票は米軍施設における交換の媒介物として米軍によって発行せられ、その流通が制限的であるとはいえなお日本国内に流通するというを妨げないから、刑法一四九条一項の「内国ニ流通スル外国ノ紙幣」に当るものと解するを相当とする。それ故、原判決には事実誤認の違法は存しない。その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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